アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2023年4月7日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆日本主導で始まるデータ伝送システムのアップグレード
アルマ望遠鏡は2018年、2030年代の望遠鏡性能向上に向けた開発戦略ビジョンを
アルマ望遠鏡将来開発ロードマップとして発表しました。このビジョンで特定された主な優先事項は、
受信機の IF(Intermediate Frequency:中間周波数)帯域幅を少なくとも 2 倍に広げ、
関連するエレクトロニクスと相関器をアップグレードすることです。帯域幅が広がることで、
データ量は大幅に増大します。データを高速で送るためのシステムのアップグレードは
望遠鏡性能向上に欠かせないもので、日本が主導して新しいデータ伝送システム (DTS) の開発を行います。
https://alma-telescope.jp/news/upgrade-202303
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Topics
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◆テキサス大学オースティン校NASAハッブルフェローの藤本征史さん、
アルマ望遠鏡のアーカイブ、アルマ望遠鏡を使った研究で
2022年度日本天文学会研究奨励賞を受賞しました。
テキサス大学オースティン校NASAハッブルフェローの藤本征史さんが、2022年度日本天文学会研究奨励賞を
受賞しました。日本天文学会研究奨励賞は、優れた研究成果を上げている35歳以下の若手天文学者に対して
授与される賞です。
https://alma-telescope.jp/news/fujimoto-202303
◆アルマ望遠鏡が明らかにする太陽系の水が経てきた歴史-星間物質時代から現在まで-
原始星オリオン座V883星 周辺で形成されている円盤の中に含まれる水の観測によって
太陽系における彗星と微惑星形成を明らかにする手がかりを得ることができました。
https://alma-telescope.jp/news/v883ori-202303
◆アルマ望遠鏡が開所式から10年を迎えました
世界最大の電波望遠鏡アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 (ALMA) は、 2023年3月13日に10周年を迎えました。
これまでの10年間、アルマ望遠鏡は国際協力によって人類の宇宙に関する理解に革命的な変化をもたらしてきました。
惑星、恒星、銀河の形成についての新たな発見や宇宙の化学的構造の解明に寄与しただけでなく、
初めてのブラックホールの撮影においても重要な役割を果たしました。
https://alma-telescope.jp/news/anniversary10-202303
又、日本でも10周年に関する活動を予定しており、詳細が決まり次第、お知らせいたします。
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Events
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◆京都青少年科学センター 特別講演会「『見えない宇宙』を探るアルマ望遠鏡」
【日時】
2023年4月16日(日)
午後2時15分~(1時間程度)
【申込期間】
令和5年3月17日(金)~3月31日(金)
※4月6日現在 定員まで若干の空きがあるため、追加のお申込みが可能です(定員に達するまで、先着順)。
【会 場 および 受付場所】
会 場/京都青少年科学センター 展示棟1階 映写講義室
受付場所/京都青少年科学センター 展示場1階 事務室前
<通常の入館経路とは異なりますので、ご注意ください。>
【定員・対象】
小学生以上(ただし,小学生は保護者同伴必須。)
※幼児は参加できません。
【参加費】
※講演会に参加のみの方は、「無料」
※展示場やプラネタリウムの利用には、別途入場料、プラネタリウム観覧料が必要。
【講師】
平松 正顕 氏(国立天文台 講師)
【詳細】
http://www.edu.city.kyoto.jp/science/event/accept_event/08/index.html
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Afterword
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Topics で取り上げた観測成果の内容は
周囲の原始惑星系円盤の中で
中心星から十分離れているところまで
水が氷では無く水蒸気として存在する
ユニークな特徴を持った原始星オリオン座V883星に関するものでした。
周囲の原始惑星系円盤に含まれる水蒸気から出る電波を観測し、
星間物質に含まれる水も
星間物質から長い時間をかけて形成された惑星に含まれる水も
組成に関してほとんど変化が無いという重要な結果を示す研究でした。
原始星オリオン座V883星の原始惑星系円盤の中で
水同様に氷に閉じ込められていた多くの有機分子
(代表的なものはメタノール、アセトアルデヒド等)
がガスとして広い範囲に存在しています。
そこから放出される電波をアルマ望遠鏡によって観測し、
有機分子の組成が探査機ロゼッタが調べた
太陽系の彗星の成分と似ていることを明らかにした
重要な研究成果もあります。
この記事を紹介いたします。
よろしければ以下のURLからご覧下さい。
「アルマ望遠鏡、急増光した若い星のまわりに多数の有機分子を発見」
https://alma-telescope.jp/news/press/v883-201902
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