2005. 11. 30

2005年秋号 台湾の参加、先端技術センター発足等

国立天文台のALMA(アルマ)計画に関心をお持ちの皆さま
 日本はそろそろ晩秋でしょうか。チリでは大統領選挙と上下両院選挙を12
月11日に控え、いつもに増して暑い夏が始まろうとしています。
 さて、国立天文台が進めているALMA計画の近況報告と、これから行われる
一般向け講演会等についての案内をお送りします。
※最新情報についてはALMAのホームページ
 http://www.nro.nao.ac.jp/alma/ をご覧下さい。
【近況報告】
 文部科学省からALMA計画の推進に関して来年度分として29億2400万円が要
求されました。これに対して今年も例年と同様に総合科学技術会議による評
価が行われ、ALMA計画の評価は例年通りS-A-B-CのうちのAランク(重要な施
策等であり、着実に実施すべきもの)として位置づけられています。
https://alma-telescope.jp/assets/uploads/sites/www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu49/siryo2-2.pdf
 国内での機器の開発も着々と進められています。組織関連で言えば8月1日
に天文機器開発実験センターとALMAの受信機開発グループを統合して先端技
術センターが発足しました。当面の戦略的開発研究テーマはALMAの超伝導
SIS素子および受信機の開発で、ALMA推進室と密接に連携し全力でALMAの開
発を推進します。また、日本が担当するアタカマコンパクトアレイ(ACA)シ
ステムの予備設計の国際審査会が11月10日から11日にかけて三鷹で行われ、
欧米から招聘した外部審査委員から非常に高く評価されました。一方、評価
を終えた日本の試作アンテナの撤収作業がアメリカ・ニューメキシコ州の
ALMA試験施設(ATF)で始まりました。前回ご案内したバーチャルツアーのチ
リコースに加えてATFコースも新たに追加されましたのでどうぞお立ち寄り
ください。
 チリではいよいよ山頂施設の工事も始まりました。山麓施設の工事も引き
続き進められています。
 国際的にも大きな動きがありました。9月8日には自然科学研究機構と台湾
の中央研究院の間(実施機関:国立天文台と天文及天文物理研究所)でALMA建
設時における協力に関する協定の調印式が行われ、台湾も日本との協力の枠
組みでALMAに参加することになりました。
 さらに、計画のちょっとした進捗や日常の光景など、肩のこらない話題に
ついて気軽かつ迅速にお伝えするために、このニュースレターに加えて密か
に写真ニュースを不定期ながら頻繁にホームページ上で発行してきました。
バックナンバーがかなり充実してきましたのでここで改めてその存在につい
てお知らせしておきます。
 ALMAの完成とそれを用いた研究の早期実現に向けて、引き続き皆様のご支
援をお願いいたします。
【一般向け講演会・施設公開・展示等】
◎天文学普及講演会「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMAでさぐる銀河と惑星系
 の誕生」
 日時:2005年12月17日(土) 14:00-16:00
 場所:国立科学博物館 新館3F講義室
◎第54回SISTサロン「電波で探る未知の宇宙-ALMAプロジェクトの紹介-」
 日時:2006年 1月27日(金) 18:00-20:15
 場所:静岡理工科大学 管理棟2階208号室
◎第8回ALMA公開講演会「(テーマ未定)」
 日時:2006年
 場所:福岡エリア:詳細未定

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