2013. 12. 18

【 ALMA Mail Magazine 】 2013年12月18日号 ~パノラマ画像で見るアルマ望遠鏡~

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2013年12月18日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array < http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/>
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――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
 11月22日 アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で迫る宇宙初期の巨大天体ヒミコ
 12月18日 アルマ望遠鏡科学観測サイクル2に過去最多の観測提案
アルマ通信
 11月25日 アルマ望遠鏡山麓施設でとらえたアイソン彗星
 12月 3日 アルマ望遠鏡山麓施設のアンテナと金星
PICK UP!
 12月13日 パノラマ画像で見るアルマ望遠鏡
イベント情報
 12月7日~5月6日 日本科学未来館 THE世界一展
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 ■ 最新情報 ■
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◎ 11月22日 アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で迫る宇宙初期の巨大天体ヒミコ
東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授が率いる日米の国際研究チームは、宇宙初期に
存在する巨大な天体「ヒミコ」をアルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測しました。
ヒミコは、宇宙が8億歳(現在の宇宙年齢のわずか6%)だった時代に存在した巨大な
熱いガスの固まりです。ハッブル宇宙望遠鏡の観測からは、ヒミコの中に3つの巨大な
青い星団が見つかりました。一方アルマ望遠鏡の観測からは、炭素や酸素といった
重元素からなる固体微粒子(ダスト)から出る電波や炭素原子から出る電波が
いっさい検出されませんでした。これらは活発に星を作る銀河ではごく普通に
検出される電波ですが、極めて高い感度を持つアルマ望遠鏡をもってしても
その電波が検出されなかったということは、ヒミコはビッグバンで作られた水素や
ヘリウムなど原始的なガスを主体とする天体である可能性が高いということを
示しています。
今回の観測結果は、宇宙が星々の光で満たされ始めた「宇宙の夜明け」と呼ばれる時代
において、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な知見を与えました。
[プレスリリース] アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で迫る宇宙初期の巨大天体ヒミコ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201311227250.html
◎ 12月18日 アルマ望遠鏡科学観測サイクル2に過去最多の観測提案
来年6月から17カ月にわたって実施されるアルマ望遠鏡科学観測サイクル2に向けた
観測提案の募集が、12月5日に締め切られました。今回の募集には、これまでの
サイクル0、サイクル1に寄せられた提案をしのぐ1382件の観測提案の応募があり
ました。これは世界中の研究者が、アルマ望遠鏡を使った研究に関心を持っている
ことの証です。寄せられた提案は、顕著な功績をあげている80人の天文学者によって
審査され、サイクル2で実施される観測プログラムが決定されます。
[最新情報] アルマ望遠鏡科学観測サイクル2に過去最多の観測提案
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/12182_4.html
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 11月25日 アルマ望遠鏡山麓施設でとらえたアイソン彗星
太陽に接近中のアイソン彗星を、アルマ望遠鏡山麓施設(標高2900m)でとらえました。
11月21日(チリ時間)にデジタル一眼レフカメラで撮影された写真では、
日の出直前の東の空、アンデスの山々からちょうど顔をのぞかせるように長い尾を
伸ばす彗星の姿が写しだされています。
[アルマ通信] アルマ望遠鏡山麓施設でとらえたアイソン彗星
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/1125post_521.html
◎ 12月 3日 アルマ望遠鏡山麓施設のアンテナと金星
夕方の空に、金星がひときわ明るく輝いています。宵の明星として知られる金星ですが、
周囲にあまり明かりのないアルマ望遠鏡山麓施設(標高2900m)では、その輝きは
一層目立ちます。記事で紹介した写真では、山麓施設で干渉計試験観測中の
日本製12mアンテナ(右)と欧州製12mアンテナ(左)、そしてその向こうに輝く
金星をとらえています。また、2台のアンテナの間には、ぼんやりと白く天の川が
横たわっています。
[アルマ通信] アルマ望遠鏡山麓施設のアンテナと金星
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/1203post_522.html
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 12月13日 パノラマ画像で見るアルマ望遠鏡
アルマ望遠鏡の施設に立ってまわりを見渡すと、広大で荒涼としたアタカマ高地の
風景に圧倒されます。アンデス山脈の山腹に作られた山麓施設からは、数十km先
に広がるアタカマ塩湖やオアシスの村々を見渡すことができます。また山頂施設では、
現在は1kmほどの範囲に60台ものアンテナが密集した姿を見ることができ、まったく
違う世界を訪れたような感覚になります。
これらの施設の様子は、アルマ望遠鏡ウェブサイト内「マルチメディア」のページで
写真と映像でご紹介していますが、より現地の様子を実感していただけるように、
360度パノラマ写真コンテンツを作成しました。現在のところ現地の一般見学は
まだ受け入れていませんが、このパノラマ画像で現地の雰囲気をぜひ感じて
みてください。また、今後も様々な地点で撮影したパノラマ画像を追加していく
予定ですので、ご期待ください。
[アルマ通信] パノラマ画像で見るアルマ望遠鏡
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/1213post_523.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 12月6日~5月6日 日本科学未来館 THE世界一展
会場:日本科学未来館(東京都港区台場)
入場料:1000円(大人)
展示協力: 「未来へつなげ、ビッグプロジェクト」ゾーン内 「地球の目をつくる」
 (受信機部品、現地調査資料等提供)
参考ウェブサイト:http://www.miraikan.jp/sekai1/
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 ■ あとがき ■
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約半年ぶりのチリ出張から帰国しました。最寄りの空港であるカラマ空港では
新しいターミナルビルの建設が進み、そこから延びる道の両脇には巨大な風力
発電施設が立ち並ぶなど、半年前と比べても街の変化には目を見張るばかりです。
アルマ望遠鏡の施設でも、日米欧のアンテナ建設エリアからは全てのアンテナが
姿を消し、試験観測や科学観測に使われています。日本から送られたたくさんの
受信機も現地で順次望遠鏡に搭載されており、2011年の観測開始時と比べて
アルマ望遠鏡は大きくパワーアップしていることが、施設を見ただけでわかります。
今回も日本のメディアによる取材の対応のための出張でしたが、取材にいらっしゃる
方はみなさんアルマ望遠鏡施設の威容に驚きと感嘆の声を挙げられます。周囲に
草木も何もない標高5000mの高地に立ち並ぶアンテナ群は何度見ても壮観で、
特に観測天体に向かって同期して動くさまは素晴らしいものです。取材の成果
(テレビ番組)は1月に放送の予定ですので、日時が決まり次第改めてお知らせ
します。現地の雄大な風景と望遠鏡プロジェクト推進に心血を注ぐスタッフの姿を
ぜひご覧ください。
また、PICK UP! でもご紹介したとおり、今回の出張では現地の全球パノラマ
画像をたくさん撮影してきました。上記リンク先、あるいはMicrosoft Photosynth
のページ http://photosynth.net/userprofilepage.aspx?user=NAOJ_ALMA
からその景色と空気をぜひお楽しみください。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
Copyright(C) 2013 Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
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