2013. 10. 22

【 ALMA Mail Magazine 】 2013年10月21日号 ~アルマ望遠鏡が発見した、赤ちゃん星を包む大きな温かい繭~

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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2013年10月21日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array < http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/>
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――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
 10月 3日 アルマ望遠鏡の最後のアンテナの引渡し完了
 10月16日 アルマ望遠鏡が解き明かす超巨大ブラックホールジェットのミステリー
アルマ通信
 10月 1日 アルマ望遠鏡モリタアレイが2013年度グッドデザイン賞ベスト100に選出
 10月 9日 日本天文学会にてアルマ望遠鏡ブース出展
 10月21日 三鷹・星と宇宙の日2013 開催
PICK UP!
 10月 4日 アルマ望遠鏡が発見した、赤ちゃん星を包む大きな温かい繭
イベント情報
 10月26日 日本物理学会 2013年度 大阪支部公開シンポジウム
 10月30日~11月4日 グッドデザインエキシビション2013
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 ■ 最新情報 ■
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◎ 10月 3日 アルマ望遠鏡の最後のアンテナの引渡し完了
9月23日、ヨーロッパ25台目のアンテナの製造が完了し、合同アルマ観測所に引き
渡しが行われました。これで、アルマ望遠鏡を構成する66台のアンテナ全ての引き
渡しが完了したことになります。今後、受信機の搭載や更なる性能確認試験が行わ
れたあとに標高5000mまで運ばれ、科学観測に加わることになります。
[最新情報] アルマ望遠鏡の最後のアンテナの引渡し完了
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/1003post_512.html
◎ 10月 3日 アルマ望遠鏡が解き明かす超巨大ブラックホールジェットのミステリー
ふたつの国際研究チームが、アルマ望遠鏡を使って銀河の中心にある超巨大ブラック
ホールから噴き出すジェットを観測し、ジェットが周囲の環境にどのような影響を
与えているかを調べました。棒渦巻銀河NGC1433の中心部では、ブラックホールに
流れ込むガスと、これまで見つかったものでは最小となる長さ150光年のジェットが
発見されました。またPKS 1830-211という銀河では、大量の物質がブラックホールに
吸い込まれて強い電波を急激に放出する様子を偶然とらえました。観測画像や映像は
下記のプレスリリースに掲載しています。
[プレスリリース] アルマ望遠鏡が解き明かす超巨大ブラックホールジェットのミステリー
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2013/1016post_516.html
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 ■ アルマ通信 ■
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◎ 10月 1日 アルマ望遠鏡モリタアレイが2013年度グッドデザイン賞ベスト100に選出
日本が開発を担当したアルマ望遠鏡のモリタアレイが、このたび2013年度グッドデザイン
賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)において、すべての受賞作品の中から特に
優れた100件を選定する「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。また、2013年
度を象徴するデザインとして位置づけられる「グッドデザイン大賞」の候補にも選ばれて
います。「日本らしい総合的なデザイン、精度の高いものづくりの力が、世界レベルに
よる人類の知の探求の営みに大きく貢献することを力強く示している」と高く評価され
ました。
[アルマ通信] アルマ望遠鏡モリタアレイが2013年度グッドデザイン賞ベスト100に選出
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/10012013100.html
◎ 10月 9日 日本天文学会にてアルマ望遠鏡ブース出展
9月10日から12日まで、東北大学川内キャンパスにて日本天文学会秋季年会が開催され
ました。アルマ東アジア地域センターでは国立天文台天文データセンターと協力して、
アルマ望遠鏡のアーカイブデータを表示・取得することのできるバーチャル天文台機能に
ついて、研究者向けに紹介するブースを設置しました。ブースには研究者が次々に訪れ、
スタッフによる機能デモを興味深そうに見たり自分で操作したりしていました。
[アルマ通信] 日本天文学会にてアルマ望遠鏡ブース出展
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/1009post_515.html
◎ 10月21日 三鷹・星と宇宙の日2013 開催
10月18日と19日の2日間、国立天文台三鷹キャンパスの特別公開『三鷹・星と宇宙の日』
が開催されました。アルマ望遠鏡が本格運用を開始したことを受けて、今年のメインテーマ
は「アルマ望遠鏡で探る銀河と惑星のルーツ」でした。アルマ望遠鏡展示には2日間で
およそ3000名の方にお越しいただきました。また、アルマ望遠鏡に関する講演会も開催
されました。その様子は、下記のUstreamで録画をご覧いただけます。
[アルマ通信] 三鷹・星と宇宙の日2013 開催
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2013/10212013_2.html
Ustream 三鷹・星と宇宙の日2013 講演会
http://www.ustream.tv/channel/naoj-20131019
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 ■ PICK UP! ■
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◎ 10月 4日 アルマ望遠鏡が発見した、赤ちゃん星を包む大きな温かい繭
電気通信大学の酒井剛氏を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて
わし座の方向にある星団誕生領域を観測し、これまで知られていなかった生まれた
ばかりの星を発見し、その星が温かく巨大な分子の雲に取り囲まれていることを
明らかにしました。
星が生まれると、周囲のガスが照らされて温度が上がっていきます。まわりより
100度ほど温められた(-160℃程度)領域を「ホットコア」と呼びますが、今回
見つかった若い星のまわりのホットコアは、他に同じような赤ちゃん星のまわりで
見つかったものよりも10倍も大きなものでした。これは、ホットコアの中に
赤ちゃん星が複数含まれている、あるいは一つの赤ちゃん星が急激に周囲の
ガスを吸い込んで成長している可能性があります。いずれの場合も、この赤ちゃん
星が特殊な状況にあることを示しており、星が誕生する過程がこれまで考えられて
いたよりも多様であることを示唆するものとして注目されます。
[プレスリリース] アルマ望遠鏡が発見した、赤ちゃん星を包む大きな温かい繭
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201310047213.html
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 ■ イベント情報 ■
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◎ 10月26日(土)日本物理学会 2013年度 大阪支部公開シンポジウム
『物理の新しい地平を切り開く「ビッグサイエンス」
~大きな「謎」へと挑む壮大な「プロジェクト」~』
講師:藏重久弥(神戸大学)『ヒッグス粒子を求めて -LHC加速器とアトラス実験-』
  中野 貴志(大阪大学)『レーザー電子光を用いたクォーク核物理研究』
  石山智明(筑波大学)『スーパーコンピュータの中で生まれる宇宙』
  村岡和幸(大阪府立大学)『世界の果ての千里眼 -究極の電波干渉計アルマ
            (ALMA)が切り拓く、最新の天文学-』
時間 :午後1時より (受付:12時半より)
会場 :兵庫県 甲南大学 甲友会館(甲南大学岡本キャンパス)
参加登録: http://www.hpr.cqst.osaka-u.ac.jp/jps-osk-13/
参加費: 無料
◎ 10月30日(水)~11月4日(月/振休)グッドデザインエキシビション2013
会場:東京ミッドタウン(東京都港区六本木)
主催:公益財団法人日本デザイン振興会
入場料:1000円(大人)
案内ウェブサイト:http://www.g-mark.org/news/2013/n_0801.html
■詳しくは、アルマ望遠鏡ウェブサイトをご覧ください。
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/ (日本語)
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/e/ (英語)
■アルマ・メールマガジン バックナンバー
  http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/mailmagazine/
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 ■ あとがき ■
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「アルマ通信」でもお知らせしたとおり、アルマ望遠鏡において日本が開発した
モリタアレイが、日本デザイン振興会のグッドデザイン賞に選ばれました。また
グッドデザイン・ベスト100にも選ばれ、さらにグッドデザイン大賞候補の10件
にも挙げられています。
今回の受賞は、大きく目立つアンテナだけではなく、その中に搭載されている
受信機や信号を処理する相関器など、「望遠鏡システム」全体としてのモリタ
アレイが対象となっています。そしてその受賞理由も、単に見た目のデザインが
すぐれているということではなく、過酷な自然環境の中で究極の性能を実現する
高いレベルの設計と開発、そして国立天文台の研究者と様々な業種のたくさんの
メーカーの技術者の皆さんのチームワークによってそれを実現させ、人類全体に
貢献するプロジェクトであることが高く評価されています。このメールマガジン
をお読みいただいている皆さんも含め、これまで様々な形でご協力いただいた方々
に改めて感謝申し上げるとともに、今回の受賞の喜びを分かち合いたいと思います。
もしてもちろん、開発だけで終わりではありません。望遠鏡は、観測から新しい
発見をもたらしてこそ価値がある、ということは言うまでもありません。既に
いくつもお伝えしているように、アルマ望遠鏡からはこれまで見えなかった宇宙の
姿が続々と届けられています。今後も素晴らしい発見をお届けできるように、
スタッフ一同アルマ望遠鏡の運用に力を尽くします。今後ともご声援よろしく
お願いします。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
 お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
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