2015. 11. 28

【ALMAメールマガジン】 原始星から噴き出す間欠ジェットをアルマが目撃

Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)
==================================================
国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2015年11月28日号
==================================================
年の瀬の近づきを感じるこの頃。街中には色とりどりの
イルミネーションが灯っていますが、星空もまた美しい
季節です。
今夜は「月齢16」、アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
-————————————————-
pick up!
-————————————————-
◎ 原始星から噴き出す間欠ジェット
研究者は、若い原始星CARMA-7からガスの噴出が矢継ぎ早
に繰り返されていることをアルマ望遠鏡によって発見しま
した。星の両極から流れ出す一対の高速のガス流(ジェット)
は、原始星の気まぐれな若さを体現しているようにも見えます。
以前の観測では、CARMA-7からのジェットと、それを取り
巻くすぐ近くの原始星からのジェットを区別することが
できませんでした。これらの天体はとても若くガスや塵に
深く埋もれているため、原始星やそのジェットについては
可視光でも近赤外線でもその様子を完全に明らかにする
ことができませんでした。
今回の結果は、同種の領域の観測にとって、アルマ望遠鏡が
どんなに価値のあるものであるかを実証しました。
画像では、原始星から上下方向に吹き出る一対のジェットが
きれいに映し出されています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2015/1105post_620.html
-————————————————-
topics
-————————————————-
◎国立天文台アルマ オールハンズミーティング
10月16日、国立天文台でアルマ望遠鏡プロジェクトに
かかわるスタッフの全員ミーティングが開催されました。
アルマ望遠鏡を国際協力で運用する国立天文台チリ観測所の
スタッフの他、受信機の開発・製造・メンテナンスを担当
する国立天文台先端技術センターの受信機チームスタッフ
も参加しました。
また来日中のチリ・合同アルマ観測所のピエール・コックス
所長、スチュアート・コーダー副所長、ジョン・カーペンター
主幹科学者も同席しました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2015/1106post_619.html
◎三鷹・星と宇宙の日2015
10月23日(金)、24日(土)に三鷹・星と宇宙の日が
開催されました。チリ観測所はALMA棟にて、アルマ望遠鏡を
ご紹介しました。3名の研究者によるミニ講演会は、毎回座席
がすべて埋まる盛況ぶりでした。それぞれ自分の研究について、
そしてアルマ望遠鏡のすばらしい観測画像を目にした時の
興奮を皆様にお伝えしました。
特に土曜日は晴天に恵まれ、たくさんの方にご来場いた
だきました。第一線の研究者、技術者がアルマ望遠鏡や
アルマで観測された宇宙の姿についてお話ししました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2015/11122015_5.html
◎国立天文台ニュースでアルマ特集第2弾!
国立天文台ニュース2015年9月号、特集「いよいよ本気
のアルマ望遠鏡」中編が発刊されました。 第2弾となる
アルマ特集は、東アジアの研究者の拠点として機能する
東アジア・アルマ地域センターについてです。アルマ
望遠鏡の最新情報からアルマ地域センターの全スタッフ
インタビューまで、充実の内容です。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2015/11162_6.html
◎アルマ望遠鏡、地球規模の巨大電波望遠鏡の一部に
アルマ望遠鏡はすでに画期的な成果を数多くお届けして
いますが、特殊な観測形態としてヨーロッパやアメリカ
にある別の電波望遠鏡とつないで運用することで、その
能力をさらに飛躍的に高めることができます。大きく
離れた地点にあるアンテナを結合させてひとつの電波
望遠鏡とする技術を、超長基線電波干渉法(VLBI) と
呼びます。アルマ望遠鏡はそれ自体が複数のアンテナを
結合させた「干渉計」ですが、さらにほかのアンテナと
組み合わせることで、地球サイズの電波望遠鏡として
機能します。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2015/1124post_623.html
◎冷たく暗い矮星は、強力な磁場工場だった
とある暗く冷たい小さな星(矮星)が驚くほど強力な
磁場を持っていることが発見されました。その磁場は、
太陽の最も強烈な磁場領域に匹敵するほどです。
アルマ望遠鏡の観測によって初めてこれほど高い周波数
の電波が観測されたことで、赤色矮星の研究に新たな
手法が開拓されました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2015/1127post_624.html
-————————————————-
event
-————————————————-
◎ 11月29日(日) 11:30~17:30
大学共同利用機関シンポジウム2015
研究者に会いに行こう!
研究を紹介する約15分のミニ講演
「見えないひかりで宇宙をさぐる
-アンデスの巨大電波望遠鏡アルマの挑戦-」
阪本成一(国立天文台 チリ観測所教授)
会場:アキバ・スクエア(秋葉原UDX 2F・東京都千代田区)
[詳細] 大学共同利用機関シンポジウム2015
https://www2.kek.jp/intersympo/2015/
◎12月 5日(土) 14:00~16:00
法月惣次郎没後20年特別事業
天文講演会「動きだした人類最大の電波望遠鏡ALMA(アルマ)」
「大切なことは目に見えない ~電波で「見えない宇宙」を探る~」
石黒正人(国立天文台 名誉教授)
「世界最大の電波望遠鏡ALMAがみた宇宙」
阪本成一(国立天文台 チリ観測所教授)
対象:中学生以上
会場:ディスカバリーパーク焼津 プラネタリウム
定員:165人(申込先着順)、料金無料
サイエンスカフェ(講演会と同日開催)
時間:16:30~17:30
定員:30人(申込先着順)、参加費:100円
会場:ディスカバリーパーク焼津 会議室
◎12月 5日(土)、 6日(日)
プラネタリウム特別投影
「豊川からアルマ望遠鏡へ」※今回のみの投影
「ALMA~まだ見ぬ宇宙へ~」※来年3月まで投影中
会場:ディスカバリーパーク焼津(静岡県焼津市)
[詳細] ディスカバリーパーク焼津
http://www.discoverypark.jp/
◎ 12月26日(土) 13:05~14:00
講演会「見えないひかりでみる宇宙
~アンデスの巨大電波望遠鏡ALMAの挑戦~」
お茶の水女子大学理学部主催 第3回宇宙講演会
~子どもから大人まで宇宙に夢中!~
講師:阪本 成一(国立天文台チリ観測所 教授)
会場:お茶の水女子大学 微音堂(東京都文京区)
参加費無料、事前申し込み不要
[詳細] お茶の水女子大学
http://www.ocha.ac.jp/event/20151009_1.html
-————————————————-
afterword
-————————————————-
日本では夏の夜空の風物詩となっている天の川。たくさん
の星が帯状に集まることでまるで川のように見える天の川
ですが、その実態は、わたしたち太陽系が属する銀河系の
中心部です。アルマ望遠鏡のあるチリからは、まさに
空一面にかかる大きな橋のような天の川を見ることが
できます。
http://www.nao.ac.jp/gallery/weekly/2015/20151117-alma.html
天の川、つまり銀河系の中心には、超巨大ブラックホール
が存在すると考えられています。最新情報でご紹介した
VLBI実験は、この銀河系中心のブラックホールがターゲット
です。各地の電波望遠鏡をつなぎ合わせて地球と同じ大きさ
の望遠鏡として観測しようという、とてもスケールの大きい
計画です。今回の観測が成功したことで、ブラックホールの
謎解きへ一歩近づきました。
-—————————————☆——–
In search of our Cosmic Origins
□ Twitter
http://twitter.com/ALMA_Japan
□ お問い合わせ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
□ メールマガジン配信登録/解除
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/mailmagazine/
自然科学研究機構 国立天文台 チリ観測所
Copyright(C) 2015 Atacama Large
Millimeter/submillimeter Array(ALMA), NAOJ.
All rights reserved.
-————————————————-

NEW ARTICLES