アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2016年 2月24日号
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今夜は「月齢16」、アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎とても冷たい空飛ぶ円盤
アルマ望遠鏡とIRAM望遠鏡の観測によって、若い星の周りの
惑星形成円盤外縁部に含まれる大きな塵(ちり)の粒子の
温度測定に初めて成功しました。「空飛ぶ円盤(flying saucer)」
と名付けられた天体のデータを斬新な方法で解析することに
より、研究チームは塵が-266℃であることを突き止めました。
これは予想されていたよりもずっと低温でした。この結論は、
従来の惑星形成モデルを書き換えるほどの衝撃を与える
ものです。
塵の性質の違いは、例えば、塵の粒子がぶつかり合うときに
何が起きるのか、そして惑星形成において塵がどんな役割を
果たすのか、に影響を及ぼします。今回の観測結果を説明
できるように塵の性質を考え直すことがこの観点で深刻な
影響を及ぼすかどうかは、現段階で推定することはできません。
より詳しい理解のためには、今後さらなる観測が必要です。
しかし、今回アルマによって発見された冷たい塵は、原始
惑星系円盤を理解する上で重要な知見を与えてくれました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2016/0223post_637.html
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topics
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◎宇宙で最も明るい銀河に渦巻く激しい乱気流
宇宙で最も明るく輝く銀河の中には激しい乱気流が渦巻いて
おり、最終的には星を作るためのガスをすべて吹き飛ばして
しまうかもしれないことが、今回のアルマ望遠鏡による観測で
明らかになりました。その銀河は、124億光年彼方の塵(ちり)
で覆われたクエーサーです。
現在の銀河の進化モデルとアルマの観測結果を考え合わ
せると、この銀河は不安定な状態にあり、星間ガスはあらゆる
方向に吹き飛ばされていると考えられます。銀河がこの段階
にいる時間は短く、やがて成熟して塵に隠されていない
一般的なクエーサーになることを意味しています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2016/0218post_635.html
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event
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◎上映中~ 2月28日(日)まで
プラネタリウム 「超巨大望遠鏡~ALMAとTMT~」
会場:相模原市立博物館(神奈川県相模原市)
[投影日時・詳細] 相模原市立博物館
http://sagamiharacitymuseum.jp/plane/planetarium/
◎ 3月11日(金)・19日(土)・26日(土)
4D2Uドームシアター定例公開「アルマ望遠鏡で見る宇宙」
会場:国立天文台三鷹キャンパス(東京都三鷹市)
[詳細・申込] 4D2Uドームシアター 公開のご案内
https://prc.nao.ac.jp/4d2u/
◎ 3月21日(月・祝) 13:30~16:30
調布の星(スター) 誕生!
プレゼンター:藤井泰範(国立天文台 先端技術センター) 他
アルマ望遠鏡の受信機開発を行なってきた技術者が、
宇宙、天文、地域をテーマにお話しします。
会場:調布市市民プラザあくろす2階 (東京都調布市)
時間:13:00~16:30
入場無料、手話通訳あり
[詳細] えんがわフェスタ
https://www.facebook.com/engawafesta2015
◎ 3月 3日(木)~ 5月29日(日)
プラネタリウム「星の誕生」
会場:大阪市立科学館(大阪府大阪市)
[投影日時・詳細] 大阪市立科学館
http://www.sci-museum.jp/planetarium/program/general/
◎ 3月 3日(木)~ 3月16日(水)
『ALMA MUSIC BOX: 死にゆく星の旋律』展
オルゴール作品ALMA MUSIC BOXとアンテナ模型の展示
会場:スパイラル(東京都港区南青山) エントランス
[詳細] スパイラル
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1829.html
◎ 3月
プラネタリウム「アルマ望遠鏡の挑戦」
会場:名古屋市科学館(愛知県名古屋市)
[投影日時・詳細] 名古屋市科学館
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/visit/planetarium/themes/general.html
◎上映中~ 4月 4日(月)まで
プラネタリウム 「ALMA~まだ見ぬ宇宙へ~」
会場:はまぎんこども宇宙科学館(神奈川県横浜市)
[詳細] はまぎんこども宇宙科学館
http://www.yokohama-kagakukan.jp/planetarium/
◎上映中~ 4月10日(日)まで
プラネタリウム 「ALMA~まだ見ぬ宇宙へ~」
会場:ディスカバリーパーク焼津(静岡県焼津市)
[詳細] ディスカバリーパーク焼津
http://www.discoverypark.jp/event/detail/?dat_id=50
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afterword
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先日、重力波が観測されたというニュースが大きく報じられ
ました。日本でも岐阜県・神岡のKAGRA(かぐら)の運用
開始を控えており、今後、重力波天文学によって宇宙の
謎が解明されるであろうと期待されています。
アルマが見る宇宙からの電波は、1930年代初頭に初めて
検出されたものです。事前に存在が予測されていた重力波
とは違い、宇宙から電波がやってきていること自体が予想外
の発見でした。初期の電波観測は手作りのアンテナを用いて
行なわれていましたが、次第に観測装置が巨大になり、電波
の初検出から約80年でアルマ望遠鏡の観測開始に至りました。
重力波の検出には最初から巨大な装置と精密な測定機器が
必要でしたが、見えないものを見ることにかける熱意と根気は
過去から現在まで通ずるものがあるように思います。
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