アルマ望遠鏡10周年記念 アンテナ命名キャンペーン開始!

冷たい宇宙に私たちのルーツを探るアルマ望遠鏡が正式に観測を開始してから、もうすぐ10年を迎えようとしています。2011年9月30日にアルマ望遠鏡の「初期科学運用」が開始され、2011年10月3日にはわずか12台のアンテナを使って撮影された「触角銀河(アンテナ銀河)」の初画像が公開されました。当時まだ建設中であったアルマ望遠鏡から初めて公開されたこの画像は、可視光や赤外線の望遠鏡ではまったく見ることのできない宇宙の姿を明らかにしました。それ以来、世界中の何千人もの科学者たちがアルマ望遠鏡を使って、暗く冷たく遠い、謎に包まれた宇宙のひみつを解き明かそうと競い合っています。

アルマ望遠鏡では、観測開始・初画像公開10周年を皆様と一緒に祝うために、アルマ望遠鏡にある66台のアンテナのひとつひとつに名前を付けるキャンペーンを始めます。

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第1段階:名前の提案

募集する名前は、以下のふたつのカテゴリです。実際に提案いただくのは、ふたつのうちのどちらか一方でも構いません。

1. アルマ望遠鏡に関係する天体名、あるいはアルマ望遠鏡から見ることができる南天の明るい天体名
これまでにアルマ望遠鏡が観測した天体については、観測成果記事フォトギャラリーをご覧ください。日本語の天体名を、ローマ字でご提案いただくこともできます。

2. アルマ望遠鏡が立地する地域の伝統的な言語「クンザ(Kunza)語」
クンザ語を使える人の数は大きく減っていて、言語自体が存亡の危機にあります。望遠鏡立地地域に敬意を表し、この消失しつつある言語に対する意識を高めるため、クンザ語の単語を一部のアルマ望遠鏡アンテナの名前とします。クンザ語-スペイン語辞書は、こちらの資料の25ページ以降にあります。

締切:2021年9月6日(月) 午前5時(日本時間)
応募応募フォームはこちら

応募フォームは、以下の画像のようになっています。こちらの画像を参考にしてご応募ください。国名と提案する名前はアルファベットで記入してください。提案理由は、日本語でお書きいただいても構いません。

アンテナ命名キャンペーンのフォーム説明

Credit: NAOJ

第2段階:命名投票

募集した名前をもとに一次選考を行います。一次選考を通過した候補名をもとにして2021年9月下旬にインターネット投票を行い、66台のアンテナにつける名前を決定します。最終結果は、アルマ望遠鏡が科学観測を開始してちょうど10年になる週、2021年9月27日から10月3日の間に発表します。
 

 

アルマ望遠鏡のアンテナたち

 

アルマ望遠鏡には、直径12メートルのアンテナ54台と直径7メートルのアンテナ12台、合計66台のアンテナが設置されています。アルマ望遠鏡は、それぞれのアンテナで集められた電波信号を組み合わせて、1台の巨大な望遠鏡(干渉計)として働きます。アルマ望遠鏡の写真をよく見ると、4種類のアンテナが設置されているのがわかります。25台の12メートルアンテナは北米が開発しました。ヨーロッパも12メートルアンテナ25台を開発し、16台のアンテナ(4台の12メートルアンテナと12台の7メートルアンテナ)は東アジアで開発されました。つまり、みんなでアルマ望遠鏡を作り上げたのです。

すばる望遠鏡など多くの望遠鏡はドームに入っていますが、アルマ望遠鏡のアンテナにはドームはありません。標高5,000mのチャナントール高原で、気温-20〜+20℃という大きな気温差、強風や雪といった過酷な条件にさらされるアルマ望遠鏡ですが、アンテナはその条件に耐えられるように設計されています。さらに、アルマ望遠鏡アンテナは精度を劣化させずに移動させられるよう頑丈に作られています。アルマ望遠鏡アンテナのためだけに設計された特別な運搬車(トランスポーター)で移動し、観測に応じてアンテナの位置を変えることができます。

 
名付けサイト画像
 

アルマ望遠鏡の建設と運用は、欧州南天天文台(ESO)がその構成国を代表して、米国北東部大学連合(AUI)が管理する米国国立電波天文台が北米を代表して、日本の国立天文台が東アジアを代表して実施します。合同アルマ観測所(JAO)は、アルマ望遠鏡の建設、試験観測、運用の統一的な執行および管理を行なうことを目的とします。

 

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