電波望遠鏡用に「光からミリ波を発生する技術」を開発
--手のひらサイズで世界最高レベルの出力に成功、サブミリ波発生も射程に--

2001年6月26日 国立天文台
(最終改訂:6月29日 15:50)

報道機関各位

国立天文台は光からミリ波・サブミリ波を発生する技術の開発研究を進めてきました。超高速フォトダイオードを手のひらサイズの導波管型フォトミキサーに組み込んで実験したところ、世界における同様な方式での出力に比べ20倍以上高い出力(約1ミリワット)を発生させることに成功しました。しかも、2波長のレーザー光の波長間隔を調整することにより、波長3mm帯で75GHz~110GHzというきわめて広帯域な出力特性を得ることができました。

チリの5000m高地に建設が予定されている巨大電波望遠鏡ALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)では、このフォトニクス技術によるミリ波・サブミリ波発生技術が宇宙からの微弱電波の受信に大変重要な役割を果たします。また、本技術は天文学のみならず、分光学、高度情報通信、地球大気環境計測、医療診断技術、核融合プラズマ診断など非常に広範囲な分野への波及効果が期待されます。

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