115億光年彼方の原始グレートウォールの内部に巨大銀河誕生の現場を発見

このプレスリリースは、2015年12月5日に東京大学より主導発表されたものです。詳しくは、東京大学大学院理学系研究科のプレスリリース をご覧ください。

東京大学大学院理学系研究科の梅畑豪紀日本学術振興会特別研究員、田村陽一助教、河野孝太郎教授を中心とする国際研究チームは、アルマ望遠鏡による観測から、115億光年彼方に位置する若い銀河の大集団、いわば宇宙最大の天体である「原始グレートウォール」の中心に、爆発的な星形成活動を行っている銀河(モンスター銀河)が9個も群れ集まっている様子を捉えることに成功しました。一つ一つのモンスター銀河は我々の住む天の川銀河の数百倍から1000倍もの凄まじい勢いで星を形成しており、やがて巨大銀河へと進化すると考えられています。この結果は、原始グレートウォールが巨大銀河の誕生を支える母体であることを指し示すものであり、モンスター銀河の形成過程やその後の進化の解明につながると期待されます。

この観測成果は、2015年12月4日発行の米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に掲載されます。(Umehata et al. “ALMA Deep Field in SSA22: A concentration of dusty starbursts in a z=3.09 protocluster core”)

図: 原始グレートウォールとモンスター銀河の想像図。若い銀河がフィラメント状に分布した大集団である原始グレートウォールの中心部で、モンスター銀河がいくつも誕生していると考えられます。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

image

NEW ARTICLES