国立天文台と電気通信大学、包括的な連携協定を締結

国立天文台と電気通信大学は、包括的な連携協定を締結し、2020年11月17日に協定調印式を執り行いました。
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協定書を手にする田野俊一 電気通信大学長(左)と常田佐久 国立天文台長
Credit: 国立天文台

 
国立天文台と電気通信大学は、これまで5年以上にわたって、アルマ望遠鏡の機能強化に資する共同研究を行い、アルマ望遠鏡への搭載を目指すより高性能な超伝導受信機の開発に取り組んできました。具体的には、アルマ受信機を構成する10種類の受信バンドの中で、サブミリ波帯の2つのバンド(バンド7:275-373 GHz、バンド8:385-500 GHz)を1つの受信機でカバーする超広帯域受信機の共同研究を行ってきました。そのなかで、観測できる電波の周波数帯幅を大きく拡大するための「超広帯域導波管回路」を開発し、世界に先駆け275-500 GHz帯を1台でカバーする受信機の実証実験に成功しています。また、高品質な超伝導デバイスの作製技術の開発などによって、受信機のさらなる高性能化も目指しています。

今回の包括連携協定の締結により、これまで行ってきた超伝導電波受信機の高性能化に関する研究をさらに進展させ、新たな宇宙観測の実現を目指します。また、アルマ望遠鏡に関する研究に加えて、重力波望遠鏡KAGRAの高性能化や、すばる望遠鏡データの解析に人工知能やビッグデータ解析の技術を適用する研究も推進すること、さらに将来的には天文分野で培った高周波受信技術を次の時代の社会基盤整備に活かすことをも目指しています。

 
電気通信大学ニュースリリース「電気通信大学と国立天文台が包括協定を締結」
https://www.uec.ac.jp/news/announcement/2020/20201117_2886.html

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