アルマ望遠鏡の新データ伝送システム、基本設計審査を通過
アルマ望遠鏡の新しいデータ伝送システムに関する基本設計審査が実施され、無事に審査を通過し、次の詳細設計フェーズへ進むこ…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2022年06月15日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆超コントラストで描き出す銀河の新しい姿
工学院大学教育推進機構の小麦真也准教授を中心とする研究チームは、全天で最強の電波を放つ3C273と呼ばれる天体のすぐそばに、淡い電波を放つ構造があることを発見しました。その明るさは3C273の8.5万分の1も暗く、特殊な解析手法によって、これほど明暗の差がある天体を同時に検出することに成功しました。この淡い構造は、3C273の正体であるブラックホール周辺からの強い光が銀河のガスに直接影響を与え、電波を放つことによって見えています。このような構造は可視光では以前から知られていましたが、電波で発見されたのは世界で初めてのことです。
https://alma-telescope.jp/news/press/spiral-202105
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Events
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◆ 宇宙塾・アルマ望遠鏡が見た 最深の宇宙
日時
2022年7月2日(土)
18:20~20:00
会場
四日市市立博物館
5階 GINGA PORT 401(プラネタリウム)
講師
国立天文台天文情報センター(周波数資源保護室)平松正顕氏
(リモート出演)
内容
南米チリにあるアルマ望遠鏡は、遠い宇宙に存在する塵やガスが放つかすかな電波を観測することができます。
2011年から運用を開始したアルマ望遠鏡が、これまでに見てきた星、惑星、銀河が生まれる現場の様子を解説します。
詳細
https://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/miru/pg360.html
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Afterword
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先日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰ったサンプルからアミノ酸が発見されたという分析結果が発表されました。
アルマ望遠鏡では、3つの科学目標のひとつに「生命の起源にせまる」を掲げています。アルマ望遠鏡の高い感度によって、宇宙空間に漂う塵やガスに含まれるアミノ酸などの有機分子が放つ電波をとらえることができます。
私たちの体はタンパク質でできていて、そしてタンパク質はアミノ酸でできています。アミノ酸を系外惑星などで検出することができれば、地球以外にも生命を育むことができる星の発見につながるかもしれません。
既にアルマ望遠鏡によって原始星の周辺や原始惑星系円盤において、メタノールやアセトアルデヒドなどの有機分子の検出に成功しています。
今後の計画では、さらに感度と解像度を向上させ、有機分子の検出にとどまらず、生命素材物質の分布と進化を明らかにすることを目指しています。生命の起源の解明という人類の究極の疑問に挑んでいきます。
アルマ望遠鏡の3つの科学目標についてはこちらをご覧ください
アルマ望遠鏡とは
https://alma-telescope.jp/about
アルマ望遠鏡の有機分子発見の成果についてはこちらにまとまっています。
アルマ望遠鏡十年の成果-有機分子
https://alma-telescope.jp/alma10th/molecule
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