2023. 7. 4

【ALMAメールマガジン】惑星はいつ誕生するのか~最初期段階を捉える

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2023年7月4日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。

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Pick up!
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◆惑星はいつ誕生するのか~最初期段階を捉える

台湾中央研究院の大橋永芳氏を中心とする国際研究グループは、地球の近傍に位置する、
星形成開始から1-10万年程度の初期段階にある19の原始星について、
アルマ望遠鏡を用いてこれまでにない高い解像度で周囲の円盤を観測し、
円盤の詳細な構造を系統的に調べました。その結果、原始星周囲の円盤では、
星形成の比較的後期段階にある原始惑星系円盤と比べ、惑星系形成の兆候は見られないか、
見られても原始惑星系円盤ほど惑星系形成は進んでいないと推測されました。
今回の結果から、惑星系形成は中心の恒星の形成開始10万年後から100万年後ぐらいにかけて急速に進むと考えられ、
惑星形成の最初期段階を捉えた本研究は「惑星系がいつ形成されるのか」という問いへの理解を深めるものです。

https://alma-telescope.jp/news/planetformation-202306

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Topics
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◆重い星は軽い種からできる

東京大学/国立天文台の大学院生 森井嘉穂氏、国立天文台のパトリシオ・サヌエーサ特任助教、
中村文隆准教授らの国際研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、太陽よりも8倍以上の質量をもつ星、
大質量星が誕生すると期待される領域でこれまでにないほど多くの”星の種”を発見しました。
このような統計的に有意なサンプルを用いることで、天文学の未解決問題の一つである、
大質量星がどのようにできるのかを議論することが可能になりました。過去最大のサンプルを注意深く調べることで、
雲に埋もれていた星の種の質量や密度、分布などを明らかにしました。従来の小質量星形成モデルでは、
星の種は形成される星の質量の2~3倍ほど重い必要がありますが、それとは矛盾して、大質量星形成には、
星の種がガスをさらに集める必要があることが分かりました。

https://alma-telescope.jp/news/stellarseeds-202306

◆川合自然科学研究機構長と常田国立天文台長がアルマ関連施設を訪問

2023年5月29日から6月2日(チリ現地時)にかけてチリ外務省等を表敬訪問していた
川合自然科学研究機構長と常田国立天文台長が表敬訪問団のメンバーを構成する文部科学省、
自然科学研究機構、国立天文台の関係者と共に、5月31日ALMA山麓施設、アステ望遠鏡、
ALMA山頂施設を訪問しました。

https://alma-telescope.jp/news/20230612-almasite

◆川合自然科学研究機構長と常田国立天文台長がチリ外務省等を表敬訪問

川合眞紀自然科学研究機構長と常田佐久国立天文台長および文部科学省関係者他が、
2023年5月29日から6月2日(チリ現地時)にかけて、チリ外務省、合同アルマ観測所サンティアゴ事務所、
チリ科学・技術・知識・イノベーション省、チリ大学と米国北東部大学連合(AUI:Associated Universities Inc.)
チリ事務所を表敬訪問しました。

https://alma-telescope.jp/news/20230606-chile

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Afterword
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Pick up! で取り上げられた

◆惑星はいつ誕生するのか~最初期段階を捉える

「惑星系がいつ形成されるのか」という問いへの
理解を深める重要な研究でした。

視力6000の分解能を誇るアルマ望遠鏡は
太陽系から数百光年から千光年程度離れた
他の恒星周辺で惑星が形成される現場であれば
太陽-地球間の距離(1au,約1億5000万km)から
その3倍程度の距離の細かさで分解が可能です。

視力6000のハイスペックを用いて、
ここ10年でも太陽系から離れた恒星周辺で
惑星が形成される現場に関する
重要な観測成果が数多く得られています。

又、今後のアップグレードによって、
太陽系から離れた恒星周辺における
惑星形成に関する新たな知見を得ることを目指します。

今までにアルマ望遠鏡を用いた
惑星形成に関する観測成果を紹介します。

よろしければ以下のURLからご覧下さい。

若い惑星系に大量の原子ガスを発見 –惑星形成の仕組みに再考を迫る
https://alma-telescope.jp/news/press/49ceti-201912

重水素で探る系外惑星系と太陽系の成り立ち ~アルマ望遠鏡による惑星誕生現場の大規模観測
https://alma-telescope.jp/news/press/maps-202109

巨大氷惑星の形成現場を捉えた-アルマ望遠鏡で見つけた海王星サイズの惑星形成の証拠-
https://alma-telescope.jp/news/press/mt-post_677

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