アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2023年8月3日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆宇宙最初の暗黒星雲に見る星々の生と死
田村陽一・名古屋大学大学院理学研究科教授、橋本拓也・筑波大学数理物質系助教らの国際研究チームは、
アルマ望遠鏡を用いて宇宙誕生後6億年の時代の若い銀河をこれまでにない高い解像度で捉えることに成功しました。
アルマ望遠鏡がとらえた塵と酸素の電波画像からは、暗黒星雲と散光星雲が互いに入り混じり、
また活発な星々の誕生と超新星爆発の衝撃波によってつくられた
巨大な空洞「スーパーバブル」と見られる構造があることがわかりました。
宇宙初期の天体において星々の生と死に関わる星雲の姿がこれほど精細に捉えられた例はなく、
銀河の誕生に関わる重要な手がかりが得られると期待されます。
https://alma-telescope.jp/news/cradlesandgraves-202307
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Topics
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◆新たな画像が明らかにする惑星誕生の秘密
ヨーロッパ南天天文台(以下 ESO)がリリースした壮観な最新の画像は木星程度の巨大な惑星の
でき方に関する謎を解く手掛かりを与えてくれます。ESOの超大型望遠鏡とアルマ望遠鏡を使って、
若い星の近くに塵を多く含んだ大きな塊を検出することができました。このかたまりは自分の重さでつぶれて更に進化していって、
巨大惑星に成長する可能性があります。
https://alma-telescope.jp/news/planetbirth-202307
◆3枚重ねのパンケーキの様な形をした原始星円盤を形成して急成長する赤ちゃん星
太陽系外惑星系形成の研究においては原始星段階での円盤は重要な役割を果たしています。
中央の原始星がより進化した段階へ成長して行くことを促進するばかりでなく、
円盤は原始惑星系円盤へと進化して行き、惑星形成の主な現場となっていきます。
アルマ望遠鏡の非常に高い能力(解像度、感度)のおかげで、
李景輝が率いる台湾中央研究院天文及天文物理研究所のチームは、
生まれて間もない原始星周辺の円盤を構成している塵の広がりを詳しく調べることに成功し、
円盤の構造を明らかにしました。特に今回の観測で特筆すべきは、
円盤をほぼ真横の方向(エッジオン)から観測したことに相当し、
円盤の赤道面近くに生じた渦巻構造の腕の一部を明らかにしたことになります。
この重要な観測によって、生まれて間もない原始星周辺における円盤形成と円盤物質が
中心星に落ち込んでいくプロセスに制限を与えることができる様になります。
https://alma-telescope.jp/news/spiralarm-202307
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Events
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◆平松 正顕 科学講演会 アルマ望遠鏡が挑む「見えない宇宙」の謎
【講師】
平松 正顕 さん (国立天文台 天文情報センター 講師/台長特別補佐)
【日時】
8月19日(土) 14:00-15:30
【場所】
倉敷科学センター 2階研修室
【対象】
小学生以上(小学生は保護者同伴)
【定員】
40名(先着順)
【参加費】
無料
【申込受付中】
※参加申し込みはお電話で(086-454-0300)。
定員に達ししだいしめきり
【詳細情報】
https://kurakagaku.jp/release/230819_ksc_release.html
<講演の概要>
宇宙には何があるのか、太陽や地球はどのようにして生まれたのか、ブラックホールはどんな天体なのか。
広い宇宙にはいくつものナゾがあり、天文学者はいろいろな望遠鏡やコンピュータを使ってナゾに挑んでいます。
なかでも本格観測の開始から10年を迎えたアルマ望遠鏡は、宇宙から届くとても弱い電波をキャッチすることで、
惑星が生まれる場所やブラックホールのまわり、遠くの宇宙で生まれたばかりの銀河などを撮影し、
天文学者も驚くような発見を続けています。今回の講演では、倉敷にもゆかりの深いアルマ望遠鏡の大活躍についてご紹介します。
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Afterword
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Pick up! で取り上げられた
◆宇宙最初の暗黒星雲に見る星々の生と死
アルマ望遠鏡を用いて宇宙誕生後6億年の時代の若い銀河における
星々の生と死に関わる星雲の姿を高解像度で捉え、銀河の誕生に関わる
重要な手がかりが得られると期待される観測成果でした。
約132億年の時間をかけてやって来た電波を捉えて
約132億年前の天体の様子を調べたことになります。
この様により遠くの天体を観測するということは
より昔の宇宙の姿を見ていることになります。
アルマ望遠鏡を用いた100億光年を超える
宇宙の彼方に存在する銀河に関する観測も
数多く行われています。
よろしければ以下のURLからご覧下さい。
アルマ望遠鏡、 129億年前の銀河から窒素と酸素の電波をとらえる
https://alma-telescope.jp/news/nitrogenandoxygen_202202
生まれたばかりの宇宙で成熟した銀河が急速に出現していた
-アルマ望遠鏡による初期宇宙にある銀河の最大規模の探索 -
https://alma-telescope.jp/news/press/alpine-202010
初期宇宙で見つかった宇宙網
-銀河とブラックホールに恵みをもたらす宇宙の清流-
https://alma-telescope.jp/news/press/cosmicweb-201910
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