アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2023年9月1日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆三本の腕でガスを吸い込む三つ子の赤ちゃん星
ソウル国立大学のジョンユァン・リー 教授、法政大学の松本倫明 教授らの国際研究チームは、
三つの原始星からなる星系IRAS 04239+2436について、アルマ望遠鏡を用いて高い解像度で観測し、
ガスの詳細な構造を調べました。その結果、衝撃波の存在を示す一酸化硫黄分子が発する電波輝線を検出し、
その分布が細長くたなびく大きな三つの渦状腕を形作っていることを発見しました。
観測から得られたガスの速度情報を数値シミュレーションと比較することにより、
三つの渦状腕は三つの原始星にガスを供給する「ストリーマー」の役割も担っていることがわかりました。
これまでストリーマーの起源については未解明でしたが、観測とシミュレーションのタッグによって
ストリーマーの起源を多重星のダイナミックな形成過程からはじめて明らかにしました。
https://alma-telescope.jp/news/triplebabystars-202308
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Topics
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◆新しいアルマ受信機の試験に成功 ―宇宙における私たちの起源に迫る新しい窓を開く―
アルマ望遠鏡の天文学者と技術者からなる国際チームは、新しい受信機を複数のアンテナに搭載した
最初の観測を行いました。これは、アルマ望遠鏡が今、建設当初に設計していたうちの
最後の周波数領域である2.6~4.5ミリメートルの波長域(= 67~116ギガヘルツの周波数帯域)について、
最初の試験観測ができるようになったことを意味します。この「バンド2」受信機は、遠方の星や銀河が
どのようにして形成されるのか、惑星の起源や生命の構成要素に至る様々な事象を解き明かす観測を可能とし、
宇宙における私たちの起源に迫る新しい窓を開きます。
https://alma-telescope.jp/news/newreceivers-202307
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Afterword
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Pick up! で取り上げられた
◆三本の腕でガスを吸い込む三つ子の赤ちゃん星
三つの原始星からなる星系IRAS 04239+2436について、
観測とシミュレーションのタッグによって原始星にガスを供給する
ストリーマーの起源を明らかにした研究でした。
同様にして今までにアルマ望遠鏡と国立天文台のスーパーコンピューター
アテルイ、アテルイIIを用いた数値シミュレーションとの
コラボレーションによって得られた研究成果を紹介します。
よろしければ以下のURLからご覧下さい。
多波長同時観測でさぐるM87巨大ブラックホールの活動性と周辺構造
―地上・宇宙の望遠鏡が一致団結―
https://alma-telescope.jp/news/m87mwl-202104
星の卵の「国勢調査」―アルマ望遠鏡が追う星のヒナ誕生までの10万年
https://alma-telescope.jp/news/press/taurus-202008
大マゼラン雲における大質量星形成をとらえた
ー アルマの見た「2羽の孔雀」分子雲が物語る2億年の宇宙史
https://alma-telescope.jp/news/press/magellan-201911
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