水野範和教授が令和6年度外務大臣表彰を受賞
アルマ合同観測所副所長を務める、国立天文台アルマプロジェクトの水野範和(みずの のりかず)教授が令和6年度外務大臣表彰を…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2024年2月25日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◆129億光年かなたのクェーサーから強烈に噴き出す分子ガスの発見
~宇宙初期の銀河成長を抑制するメカニズムの解明へ~
北海道大学高等教育推進機構のDragan SALAK(サラク=ドラガン)助教、
筑波大学数理物質系の橋本拓也助教、早稲田大学理工学術院の井上昭雄教授を
中心とする研究チームは、アルマ望遠鏡を使った観測により、
129億光年かなたの銀河で明るく輝くクェーサーJ2054-0005からの
強力な分子ガスのアウトフローを捉えることに成功しました。
この分子ガスのアウトフローが、初期宇宙の銀河の成長に大きな影響を
与えていたことが示され、世界で初めての重要な発見となります。
研究チームは、クェーサーJ2054-0005からの分子ガスのアウトフローを、
分子ガス中のヒドロキシルラジカル(OH)分子が作る「影絵」として
検出することに成功しました。影絵の様子を詳しく調べたところ、
星の材料となる分子ガスが銀河の外へ激しく噴き出していました。
この激しい噴き出しを解析することで、この銀河から1000万年ほどで
星の材料となる分子ガスが枯渇するという結果が得られました。
分子ガスが枯渇することで、新たな星が作りにくくなると予想されます。
本研究成果は、分子ガスの噴き出し(アウトフロー)
が銀河の星形成を抑制するという理論予想を裏付ける重要な成果です。
https://alma-telescope.jp/news/quasaroutflow-202401
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Topics
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◆アルマ望遠鏡10周年を記念して、若手研究者がアルマ望遠鏡サイトを訪問
アルマ望遠鏡は本格運用を開始してから10 年を迎えました。2023年12月には、
これまでの業績を振り返り、最新の成果を紹介し、将来の技術開発を展望する
国際会議が、チリ・プエルトヴァラスで開催されました。この国際会議と時期を合わせて、
国立天文台アルマプロジェクトでは、これまでにアルマ望遠鏡を用いた優れた
科学的成果を挙げている若手研究者5名を選出し、10周年の記念行事を開催しました。
https://alma-telescope.jp/news/yavisit-almasite
◆初撮影から1年後のM87ブラックホールの姿
国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は、
史上初の撮影に成功した楕円銀河M87の巨大ブラックホールについて新たな
観測画像を公開しました。今回公開された画像は、初撮影が行われた
2017年4月の観測から約1年後の2018年4月に観測されたものです。
2018年の観測では新たにグリーンランド望遠鏡がネットワークに参加し、
またデータ記録速度が向上したことでM87ブラックホールの新たな姿が
明らかとなりました。1年後の画像では、2017年に観測されたものと
同じ大きさのリング構造が確認されました。この明るいリングに囲まれた
中央の暗い部分が、まさに一般相対性理論から予言されている
「ブラックホールシャドウ」の存在を裏付けています。
一方で、リングの最も明るい場所は角度にして約30度異なっており、
ブラックホール周辺の物質が乱流状に振る舞っていることを示唆しています。
https://alma-telescope.jp/news/bhshadow-202401
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Afterword
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Pick up! で取り上げられた
◆129億光年かなたのクェーサーから強烈に噴き出す分子ガスの発見
~宇宙初期の銀河成長を抑制するメカニズムの解明へ~
129億光年かなたという、宇宙が生まれて間もないころに存在し、
非常に高いエネルギーを放出している活発な、クエーサーと分類される
天体に関する研究です。
クェーサーJ2054-0005から放出されている分子ガスを
アルマ望遠鏡を用いて調べ、分子ガスの噴き出し(アウトフロー)
が銀河の星形成を抑制するという理論予想を裏付ける
重要な観測成果というものでした。
宇宙には多くの銀河が存在していますが、
銀河の中心には、太陽の数百万倍から数百億倍もの質量を持つ
超巨大ブラックホールが隠れていると考えられています。
又、多くの銀河で高速で噴き出す流れ(アウトフロー)
が観測されていて、アウトフロー形成のメカニズムと
銀河中心の超巨大ブラックホールの関係を明らかにすることが、
現代の宇宙物理学の重要なテーマとなっています。
アルマ望遠鏡を用いた銀河のアウトフローに関する観測成果の記事を
紹介させていただきます。
よろしければ以下のURLからご覧下さい。
M87巨大ブラックホールの降着円盤とジェットの同時撮影に初めて成功
https://alma-telescope.jp/news/press/m87jet-202305-2
最高視力で解き明かすクエーサーから噴き出すジェットのすがた
https://alma-telescope.jp/news/press/3c273jet_202211
観測史上最古、131億年前の銀河に吹き荒れる超巨大ブラックホールの嵐
https://alma-telescope.jp/news/press/bhwind-202106
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アルマ合同観測所副所長を務める、国立天文台アルマプロジェクトの水野範和(みずの のりかず)教授が令和6年度外務大臣表彰を…
この研究成果は、2024年10月7日に欧州南天天文台(ESO)他からプレスリリースされたものです。詳しくは、ESOのプレスリリース(…