水野範和教授が令和6年度外務大臣表彰を受賞
アルマ合同観測所副所長を務める、国立天文台アルマプロジェクトの水野範和(みずの のりかず)教授が令和6年度外務大臣表彰を…
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2017年3月14日号
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今夜は「月齢16」、アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎アルマ望遠鏡、132億光年先の銀河に酸素と塵を発見
-最遠方記録を更新し、銀河誕生時代に迫る
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)のニコラス・ラポルテ氏
が率いる研究チームは、アルマ望遠鏡を使った観測により、地球から
132億光年の距離にある銀河A2744_YD4で、酸素と塵(ちり)が放つ電波を
検出しました。これは、酸素と塵が発見された銀河の最遠記録を約1億光年
更新する成果であり、宇宙で最初の星が誕生していた時代にまた一歩迫
る成果です。
132億光年先ということは、132億年前の銀河の姿を捉えたことになります。
また研究チームは、検出された塵の総量と推定される星の誕生のペースを
もとに、この銀河では134億年前から活発な星形成活動が始まったと考えて
います。これは、宇宙最初期の銀河における星の誕生を調べる重要な
手がかりを得たことを意味しています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201703088132.html
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topics
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◎渦巻き模様が伝える星の最期のメッセージ
台湾中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)のヒョスン・キム氏を
はじめとする国際研究チームは、アルマ望遠鏡による観測で、年老いた星
ペガスス座LL星の周囲にガスの渦巻き模様をはっきりと描き出すことに成功
しました。この星は連星をなしており、渦巻き模様を解析することで、実際
には直接観測することのできない連星系の軌道運動を導き出すことができま
した。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2017/0303post_698.html
◎超巨大ブラックホール・ジェットが星の誕生を促す
ケンブリッジ大学のヘレン・ラッセル氏をはじめとする国際研究チームは、
アルマ望遠鏡を用いた観測で、ある銀河とその中心に位置する超巨大ブラック
ホールとの間に予想外のつながりがあることを発見しました。ブラックホール
から噴き出す高速のガスジェットが、星の誕生を促進させていたのです。
ジェットは星の材料を吹き飛ばして星の誕生を抑制するとこれまでは考え
られてきましたが、今回の結果は従来の考え方とまったく逆のはたらきが
あることを示しています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2017/0215post_697.html
◎チリ観測所長宿舎での日食観察会
2月26日の午前中にチリ南部で金環日食があり、サンティアゴ市内でも9:20
頃から11:50頃にかけて食分の大きい部分日食が観測されました。国立天文台
ではこれにあわせて、日智商工会議所の会員とその家族に呼び掛けてチリ
観測所長宿舎での日食観察会を開催しました。当日は33名(うち子ども14名)の
参加があり、阪本成一所長と朝木義晴准教授がホスト役として対応しました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2017/0314post_699.html
◎2016年度宇宙電波懇談会シンポジウム開催
2017年2月21日から22日にかけて、国立天文台三鷹キャンパスにて宇宙電波
懇談会シンポジウムが開催されました。日本で電波天文学の研究に携わる
研究者や大学院生が80名以上集まり、電波天文学の現状と将来に対して
活発な意見交換が行われました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2017/02272016_4.html
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event
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◎3月25日(土)18:30~20:30(開場 18:00)
大阪市立科学館スペシャルナイト
「アルマ望遠鏡でさぐるオリオン大星雲」
講師:平松正顕(国立天文台 助教)
浅山信一郎(国立天文台 准教授)
廣田朋也(国立天文台 助教)
会場:大阪市立科学館プラネタリウムホール(大阪府大阪市)
定員:300名(事前申込制、先着順)
参加費:500円
詳細・申し込み:
http://www.sci-museum.jp/planetarium/program/special/
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afterword
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Pick up!で取り上げました通り、132億光年先の銀河で酸素と塵が放つ
電波をアルマ望遠鏡が検出しました。これまで発見されていた酸素と塵の
最遠記録は131億光年で、いずれもアルマ望遠鏡による観測でした。
131億光年先の酸素発見は昨年6月に日本人研究者による成果として
大々的に国立天文台からも発表しましたが、半年ちょっとで記録が
更新されるというのは、この分野の研究が非常に活発で、かつ
アルマ望遠鏡が大きく貢献していることの証といえるでしょう。
研究というものは、とてもダイナミックに動いているものです。今回の
ように、「最も○○」としてある時発表した記録が短い間隔で塗り替え
られることもありますし、新しい観測によって謎が解けるのではなく
謎が深まるということもあります。だからこそ研究は面白い、とも
いえます。広報担当としても、このダイナミックに進んでいく天文学の
姿と、それにワクワクしている研究者の姿を、できるだけライブ感の
ある形で伝えていきたいと思っています。
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アルマ合同観測所副所長を務める、国立天文台アルマプロジェクトの水野範和(みずの のりかず)教授が令和6年度外務大臣表彰を…
この研究成果は、2024年10月7日に欧州南天天文台(ESO)他からプレスリリースされたものです。詳しくは、ESOのプレスリリース(…