アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2017年2月13日号
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今夜は「月齢16」、アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎惑星系円盤誕生における角運動量問題解決の糸口
星は、宇宙に漂うガスが集まることで誕生します。生まれたばかりの赤ちゃん星
(原始星)は自らの重力で周囲のガスを集め、取りこんでいくことで成長します。
しかしガスは原始星の周囲を回転しているので、遠心力が働きます。遠心力に
重力が打ち勝ってガスを引き付けるには、回転の勢い(角運動量)を何らかの
方法で弱めてやらなくてはいけません。このメカニズムは明らかになっておらず、
星の誕生過程における「角運動量問題」として長年研究者を悩ませていました。
理化学研究所の坂井南美さんらの研究チームは、アルマ望遠鏡を使っておうし座の
原始星を取り巻くガスの円盤を観測しました。その結果、原始星に向かって落下
してくるガスが内側のガスと衝突し、回転の勢いが失われている現場を直接特定
することに初めて成功しました。原始星に向かってガスが落下する仕組みの一端が
明らかになったことで、星やそのまわりの惑星の誕生シナリオを構築する大きな
一助になると期待されています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201702088114.html
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topics
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◎アルマ望遠鏡、太陽観測を開始
アルマ望遠鏡は、星や惑星の材料となる冷たいガスや塵だけでなく、太陽も
観測できるように作られています。しかし太陽は非常に強い電波を出すため、
精度の高い観測をするためにはさまざまな技術試験や新しい観測手法の開発
が必要でした。
今回、アルマ望遠鏡が観測した黒点の画像を公開しました。これは試験観測で
取得されたもので、可視光と電波で異なる黒点の姿を捉えることができるという
ことを示すものです。アルマ望遠鏡を使うと、黒点周囲の彩層の温度分布を高
解像度で調べることが可能です。これにより、太陽の上空に浮かぶ超高温の
「コロナ」の加熱メカニズムに迫ることができます。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2017/0118post_679.html
◎サンチャゴ日本人学校サマーキャンプ
1月26日、国立天文台チリ観測所のスタッフがサンチャゴ日本人学校のサマー
キャンプを訪問し、宇宙に関する講演と星空観察会を開催しました。2月には
チリで日食を見ることができるため、安全に日食を観測するための方法など
を紹介し、夜には望遠鏡で星空観察を楽しみました。サマーキャンプでの
講演と観察会は毎年の恒例行事となっており、今年もたいへん好評でした。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2017/0213post_695.html
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event
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◎3月5日(日)13:00~16:50
第23回自然科学研究機構シンポジウム
「現代天文学のフロンティア――第二の地球とダークな宇宙」
講師:林左絵子(国立天文台 准教授)
武藤恭之(工学院大学 准教授)
宮崎 聡(国立天文台 准教授)
末原大幹(九州大学 助教)
会場:東京国際交流館(プラザ平成) 国際交流会議場(東京都江東区)
定員:360名(事前申込制、先着順)
申込開始:2月14日13時ごろ
参加費:無料
インターネット中継あり。
詳細・申し込み:
http://www.nins.jp/public_information/sympo23.php
◎3月25日(土)18:30~20:30(開場 18:00)
大阪市立科学館スペシャルナイト
「アルマ望遠鏡でさぐるオリオン大星雲」
講師:平松正顕(国立天文台 助教)
浅山信一郎(国立天文台 准教授)
廣田朋也(国立天文台 助教)
会場:大阪市立科学館プラネタリウムホール(大阪府大阪市)
定員:300名(事前申込制、先着順)
参加費:500円
詳細・申し込み:
http://www.sci-museum.jp/planetarium/program/special/
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afterword
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今回 pick up! で紹介した観測成果は、プレスリリース後にNHK総合
ニュースウオッチ9などでも取り上げられ、大きく報道されました。
大変ありがたい限りです。
プレスリリースは、研究の成果をマスメディアに、そしてそれを通じて
さらに多くの方にお知らせするための手段です。さらに最近では、
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを使って直接
皆さんのところに情報をお届けできるようにもなりました。
プレスリリースでは、研究成果の意義と内容、研究者の想いをわかり
やすく伝えるために、イラストや研究者コメントを織り交ぜるなどの
工夫をしています。一方で、大量の情報が流れるソーシャルメディア
では瞬間的に面白さを伝えることが求められることもあり、その解決
策について広報担当者はみな手探り状態でもあります。天文学の場合は
さいわい魅力的な画像を出せる場合が多いので有利ではあるのですが、
「魅力的で短い解説」と「正しい解説」の間でいつも葛藤しています。
現在アルマ望遠鏡ウェブサイトをリニューアル準備中ですが、そこでは
十分な紙幅を取って研究者に成果の意義を語ってもらうインタビュー
コラムなどを掲載する予定です。ソーシャルメディアでの短い発信と
ウェブサイトでの深い内容掲載と、うまく使い分けていろいろな方に
研究の現場をお届けすることを目指します。お気づきの点があれば、
お気軽にお知らせください。
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