アルマ望遠鏡が捉えた惑星系形成の現場:惑星の外側で塵が集まり、次の惑星が生まれる様子
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array(ALMA)
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2016年11月15日号
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今夜は「月齢16」、アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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pick up!
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◎アルマ望遠鏡山頂施設ライブカメラ、稼働開始!
10月中旬から、アルマ望遠鏡山頂施設(標高5000m)の高感度・高画質
ライブカメラが稼働を開始しました。このカメラはアンテナ群の中心
近くに設置されており、およそ1時間に1枚のペースで全方向の写真を
撮影しています。夜には天の川や南天の星々、昼にはアンテナ群と
広大な高地の平原の写真をお楽しみいただけます。日本とは地球の反対
側にありますので、時差に注意しながら、さまざまな月齢、さまざまな
時刻のアタカマの様子をぜひお楽しみください。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2016/1014post_682.html
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topics
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◎ガスと塵の円盤の中で生まれる三つ子の赤ちゃん星
ガスと塵の円盤が分裂して3連星が誕生する様子が、アルマ望遠鏡と
米国の電波望遠鏡JVLAによる観測で初めてとらえられました。
今回観測対象となったのは、ペルセウス座の方向に地球から約750
光年の距離にある3連原始星L1448 IRS3Bです。その年齢はわずか15
万歳程度と考えられ、まさに生まれたばかりの赤ちゃん星です。
天の川銀河に存在する星の半数以上は連星をなしていることが観測で
明らかになっているため、今回のアルマ望遠鏡の発見は、連星系の
形成の現場を鮮明に捉えたものとしてたいへんインパクトのあるものです。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2016/1027post_684.html
◎星とガスの波が作りだす銀河の目玉模様
アルマ望遠鏡による衝突銀河IC 2163の観測から、銀河の渦巻き腕の
中に星とガスの巨大な波が生じていることが明らかになりました。
これは、IC 2163が隣の銀河NGC 2207のすぐ脇を通りすぎた際に生じた
もので、掃き集められたガスの中で盛んに星が作られることにより、
銀河に目玉模様が作られています。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2016/1107post_685.html
◎総研大サマースチューデントの受け入れ
国立天文台・総合研究大学院大学(総研大)天文科学専攻では、毎年
8月に理工学系学部生2年または3年に在学する学生さんに向けてサマー
スチューデントプログラムを開催しています。今年からはチリの合同
アルマ観測所でも学生の受け入れを始め、京都産業大学の3年生2名が
およそ1か月にわたってチリでの研究活動を体験しました。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2016/1026post_683.html
◎三鷹・星と宇宙の日2016
10月21日と22日の2日間、国立天文台三鷹キャンパスの特別公開「三鷹・
星と宇宙の日2016」が開催されました。国立天文台チリ観測所では、
ALMA棟でアルマ望遠鏡・アステ望遠鏡に関する展示を行い、望遠鏡の
あるアタカマ高地の様子や最新の観測成果などを紹介しました。
また初めての試みとして、ミニ講演のネット中継を行いました。アルマ
望遠鏡で観測する太陽と惑星誕生の様子を紹介する2つのミニ講演の録画
は、以下の記事からご覧いただけます。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2016/11012016_3.html
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event
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◎11月26日(土)13:30~16:45
国立天文台講演会/第22回アルマ望遠鏡公開講演会
「アルマ望遠鏡で探る星と惑星の誕生」
講師:立松健一(国立天文台チリ観測所 教授)
立原研悟(名古屋大学 准教授)
深川美里(名古屋大学 准教授)
会場:名古屋市科学館サイエンスホール(愛知県名古屋市)
主催:自然科学研究機構国立天文台
共催:名古屋市科学館
既に参加申し込みは締め切りましたが、インターネット中継を行う予定
ですので、以下のページからご覧ください。
http://www.nao.ac.jp/news/notice/2016/20160915-alma.html
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afterword
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昨日は様々なメディアで「今年最大の満月」が取り上げられました。
天候に恵まれなかったところも多かったようですが、月の大きさは
急には変わりませんので、今日の月齢16の月でも十分楽しめるはず。
お天気のよいところでは、ぜひ月に注目してみてください。
日本ではどうしても好天が続かないこともありますが、その点アルマ
望遠鏡が建設された南米チリのアタカマ高地は、日本に比べると断然
高い晴天率を誇ります。とはいえ地球の反対側まで行って星空を楽しむ
のもハードルが高いですね。
そこで、今回ご紹介したアルマ望遠鏡山頂施設ライブカメラをぜひ
ご活用ください。
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2016/1014post_682.html
上にも記しましたとおり、高感度・高画質のカメラですので、星空も
バッチリ写ります。月の明るい時には昼間かと思ってしまうような
写真になりますが、拡大するとちゃんと星も見えます。南十字星や
ケンタウルス座アルファ星、大小マゼラン雲や天の川の中心など、
南半球で見やすい星たちを存分に楽しむことができると思います。
もちろん、昼間には立ち並ぶアンテナ群を見ることができます。
タイミングがよければ、アンテナ移動の様子を見られるかもしれません。
実は、標高5000mでは酸素が少ないため、人が目で星空を見てもあまり
きれいに見ることができません。感度が落ち、視野が狭くなったような
印象になります。望遠鏡にとっての観測最適地は人間にとっての観測
最適地ではないようです。この点でも、ライブカメラ越しに星空や風景
を楽しむのがいいですね。
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