三鷹・星と宇宙の日2024 アルマパート報告
国立天文台三鷹の特別公開「星と宇宙の日2024」が、10月19日(土)に行われました。星と宇宙の日は、三鷹キャンパスの施設公開…
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▲▲▲ ALMA Mail Magazine 2015年3月7日号
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array ====================================================================
――― 国立天文台アルマ望遠鏡に関心をお持ちの皆さま ―――
毎月「月齢16」の夜にお届けしているアルマ望遠鏡メールマガジン。
国立天文台のフラッグシップ望遠鏡のひとつ、アルマ望遠鏡に関する
最新情報をお知らせします。
最新情報はアルマ望遠鏡のウェブサイト http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
ならびにアルマ望遠鏡Twitterアカウント http://twitter.com/ALMA_Japan
をご覧ください。
INDEX
最新情報
3月 3日 若い宇宙の早熟な銀河:131億年前の銀河に塵を発見
アルマ通信
2月16日 サンチャゴ日本人学校でのサマーキャンプ
PICK UP!
2月26日 アルマ望遠鏡、巨大ブラックホール周囲に驚くほどマイルドな環境を発見
イベント情報
3月12日 サイエンスカフェみたか
4月18日 天文学普及講演会「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMA」
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■ 最新情報 ■
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◎ 3月 3日 若い宇宙の早熟な銀河:131億年前の銀河に塵を発見
コペンハーゲン大学のダラック・ワトソン氏が率いる天文学者のチームは、
アルマ望遠鏡と欧州南天天文台VLTとを用いて、これまでに見つかった最も
若く、また最も遠い銀河のひとつA1689-zD1を観測しました。その結果、私
たちの住む天の川銀河のような非常に成熟した銀河と同じくらいの塵が含ま
れていることを発見しました。これは、この銀河が予想よりはるかに進化の
進んだものであることを示しています。こうした塵は星や惑星の形成、複雑な
分子の形成の助けになるため、生命の存在の基礎にもなっています。
[最新情報] 若い宇宙の早熟な銀河:131億年前の銀河に塵を発見
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2015/0303_-131.html
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■ アルマ通信 ■
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◎ 2月16日 サンチャゴ日本人学校でのサマーキャンプ
2015年1月22日にサンチャゴ日本人学校で恒例のサマーキャンプが開催され、
低学年(小学1年から4年, 23名)を対象として星空を見る会が開催されました。
国立天文台チリ観測所から亀野誠二教授と澤田剛士助教が、講師として天体
観望のお手伝いを務めました。
就寝用のテントが張ってある芝生の広い校庭の脇に望遠鏡や双眼鏡を据え、
薄明の残る21:40頃から天体や星座を観察し始めました。まずは沈みかけの
月齢2.5の月を望遠鏡で導入すると、「でこぼこ(クレーター)や影のところ
(地球照)が見える!」と歓声が上がります。すばるやオリオン大星雲など
明るくて見やすい天体は人気があり、望遠鏡に行列ができます。一方で、
地球に接近中のLovejoy彗星(C/2014 Q2)や球状星団きょしちょう座47など
はぼんやりとしか見えないので反応は今ひとつでしたが、先生方は「見えた
こと」に感激しているようでした。最後は終了時間間際に昇ってきた木星。
縞模様や衛星がよく見えて、よい締めになりました。
[アルマ通信] サンチャゴ日本人学校でのサマーキャンプ
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/alma/2015/0216post_582.html
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■ PICK UP! ■
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◎ 2月26日 アルマ望遠鏡、巨大ブラックホール周囲に驚くほどマイルドな環境を発見
国立天文台の高野秀路氏と名古屋大学の中島拓氏を中心とする研究グループは、
アルマ望遠鏡を用いて渦巻銀河M77の観測を行い、その中心部に存在する巨大
ブラックホールのまわりに有機分子が集中して存在することを初めて明らかに
しました。こうした分子はブラックホール周囲では強烈なエックス線や紫外線
放射によって壊されると考えられていますが、今回の観測成果は大量の塵とガスに
よってエックス線や紫外線がさえぎられている領域があることを示唆しています。
この成果は、高い感度と幅広い周波数帯の電波を一度に観測できる能力を兼ね
備えたアルマ望遠鏡ならではの成果であり、謎に包まれた巨大ブラックホール
周辺の環境を理解するうえで非常に重要な発見と言えます。
[プレスリリース] アルマ望遠鏡、巨大ブラックホール周囲に驚くほどマイルドな
環境を発見
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201502267543.html
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■ イベント情報 ■
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◎ 2015年3月12日 サイエンスカフェみたか
「高く高く登り続ける天文台」
講演者:伊東昌市(国立天文台天文情報センター)
時間:19:00~20:30
会場:三鷹ネットワーク大学(東京都三鷹市)
定員:24名(先着順)
受講料:800円
[詳細] 三鷹ネットワーク大学 サイエンスカフェみたか 3月
https://www.kouza.mitaka-univ.org/kouza/D1453700
◎ 2015年4月18日 天文学普及講演会
「アンデスの巨大電波望遠鏡ALMA」
講演者:阪本成一(国立天文台チリ観測所教授)
時間:14:00~15:30
会場:国立科学博物館
申し込み:不要
[詳細] イベントカレンダー(国立科学博物館ウェブサイト)
http://www.kahaku.go.jp/event/ueno.php?date=20150418
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■ あとがき ■
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アルマ望遠鏡東アジア地域センターのある国立天文台三鷹キャンパス(東京都
三鷹市)では、梅の花が濃厚な香りを放つ季節になりました。まだ気温の低い
日もありますが、着実に春が近づいていることを感じます。
今回のメールマガジンでは、銀河の観測結果を2件お知らせしました。いずれも
アルマ望遠鏡の高い感度のおかげで、これまで検出することのできなかった塵や
分子の電波を検出できたというものです。ブラックホールのまわりに有機分子が
大量にあることも、また131億年前の銀河に大量の塵が含まれていることも、
これまでの研究からはまったく予測されていなかった結果でした。アルマ望遠鏡
が動き始めたおかげで驚くような観測成果が次々とでてくるようになり、天文学
の進展もさらにその歩みを速めています。
また、昨年11月に発表した「視力2000」での惑星誕生現場の観測データを含む
長基線試験観測キャンペーンで得られたデータが、2月17日にデータアーカイブ
で世界中に向けて公開されました。誰でもダウンロードして、自由に研究に使う
ことができます。このデータはまさに「宝の山」であり、多くの研究者がこれを
使った研究を始めています。その成果ももうすぐ出てくることでしょう。面白い
成果、驚くような成果をまた皆さんにお伝えできるのが楽しみです。
■ご意見、ご感想はお問い合わせフォームからお寄せください。
お問い合わせフォーム:http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/inquiry/
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国立天文台 チリ観測所 http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/
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