2015年7月27日、国立天文台と台湾中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)は、アルマ望遠鏡に関する協定書に署名を行いました。またこれに先立つ7月21日、自然科学研究機構と台湾中央研究院もアルマ望遠鏡の運用と将来開発計画に関する協定書に署名しました。これらの協定により、日本と台湾はさらに緊密な連携のもとにアルマ望遠鏡の運用に貢献します。
- 協定書に署名する林正彦 国立天文台長と、ユーファ・チュウASIAA所長。
Credit: 国立天文台
日本と台湾は、2005年に行われた アルマ望遠鏡建設に関する協定書の調印 以来様々な協力を行ってきました。たとえば、日本が開発した16台のパラボラアンテナに搭載するための受信機群は、台湾の東アジア受信機統合センターで真空冷凍容器への組み込みと性能試験が行われました(参考:2012年1月30日付最新情報 『東アジア受信機統合センター、ACAアンテナ用受信機システムの製造を完了』 )。またアルマ望遠鏡を用いた科学研究や将来開発の面でも、研究会を共同で開催し計画を練り上げてきました。
今回の新しい協定は、アルマ望遠鏡の建設が完了し運用段階へと移行したことに伴って締結されたものです。アルマ望遠鏡東アジアコンソーシアムに参加している韓国との協定は2014年に署名が完了しており(参考:2014年8月20日付最新情報 『自然科学研究機構と韓国天文宇宙科学研究院、アルマ望遠鏡に関する協定書に署名』 )、今回の協定によって日本・台湾・韓国が連携してアルマ望遠鏡運用に貢献する土台が整いました。
下の写真は、国立天文台三鷹キャンパスで行われた署名式典の様子です。左から、浅山信一郎 東アジア・アルマ将来開発計画マネージャ、井口聖 東アジア・アルマ・プロジェクトマネージャ、長谷川哲夫 国立天文台チリ観測所長、林正彦 国立天文台長、ユーファ・チュウASIAA所長、パトリック・コック ASIAAアルマ・プロジェクトマネージャ、シスカ・ケンパー ASIAAアルマ・プロジェクトマネージャ、テッド・ホン ASIAAアルマ・バンド1マネージャです。