アルマ望遠鏡の新データ伝送システム、基本設計審査を通過
アルマ望遠鏡の新しいデータ伝送システムに関する基本設計審査が実施され、無事に審査を通過し、次の詳細設計フェーズへ進むこ…
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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2020年9月4日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
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Pick up!
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◎三つ子星のまわりで見つかった、互い違いの原始惑星系円盤
カナダ・ビクトリア大学のジャーチン・ビー氏、工学院大学の武藤恭之氏らの研究チームは、アルマ望遠鏡を使って若い3連星オリオン座GW星を観測し、その周囲に3連の塵のリングが存在していることを明らかにしました。原始惑星系円盤の中で発見されたリングとしては観測史上最大です。しかも、内側のリングは他のリングに比べて大きく傾いていることがわかりました。研究者たちは、リングの間に惑星が存在していて、その惑星の重力によってリングが傾いたのではないかと考えています。このリングの性質や成因を探ることで、連星系のまわりでの惑星形成や、星から遠く離れた場所での惑星形成を理解する手がかりが得られると期待されます。
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Topics
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◎アルマ望遠鏡、予想外におとなしい赤ちゃん銀河を発見
アルマ望遠鏡を使った観測により、私たちが住む天の川銀河によく似た銀河が、宇宙のはるか彼方の場所に発見されました。宇宙初期のすべての銀河の内部ではガスが激しく乱れ動いていて不安定であると理論的に予想されていましたが、この銀河に含まれるガスは研究者たちも驚くほど秩序だった回転をしていました。この発見は、銀河の誕生に関わる常識を覆すものであり、私たちが住む宇宙の過去の姿に新たな視点を与えるものといえます。
◎星の卵の「国勢調査」―アルマ望遠鏡が追う星のヒナ誕生までの10万年
大阪府立大学の徳田一起 客員研究員(兼・国立天文台 特任研究員)らの研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、おうし座方向にある「星の卵」ともいうべき高密度ガス雲32個の観測を行いました。これらのガス雲から「星のヒナ」である原始星が生まれるのにかかる時間はおよそ10万年と考えられます。今回の「星の卵の国勢調査」によって、高密度のガス雲が自らの重力で収縮して星の誕生へと至る進化の過程が明らかになりました。
◎萩生田光一文部科学大臣、国立天文台を視察
2020年8月6日、萩生田光一 文部科学大臣と生川浩史 文部科学省研究開発局長らが国立天文台三鷹キャンパスを視察されました。先端技術センターでは、アルマ望遠鏡のために国立天文台が開発した超伝導受信機のほか、受信機の製作に使われた金属加工機、今後の受信機開発に大きな役割を果たすと期待される金属3Dプリンタなどの説明を受けながらご覧になり、国立天文台が持つ高い技術に関心を示されていました。
◎アルマ望遠鏡を支える人々(4)「アルマ望遠鏡コントロールルーム」で働く天文学者のシゴト
標高5000mの砂漠の高地に建設されたアルマ望遠鏡は、標高2900mに位置する「アルマ望遠鏡山麓施設」から遠隔操作されています。天文学者たちは、この山麓施設でどんな仕事をしているのでしょうか?今回は、高橋 智子 国立天文台チリ観測所助教(インタビュー当時)に、山麓施設での天文学者の役割について聞きました。
◎アルマ望遠鏡を支える人々(5)「アルマ望遠鏡サンティアゴオフィス」で働く天文学者のシゴト
山麓施設から移動すること4時間、チリの首都サンティアゴにもアルマ望遠鏡のオフィスがあります。ここでは、アルマ望遠鏡の運用を円滑に進めるため、山麓施設ではできない様々な仕事を行っています。今回は、石井 峻 国立天文台チリ観測所助教(インタビュー当時)に、サンティアゴオフィスでの天文学者の役割について聞きました。
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Information
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◎アルマ望遠鏡といっしょに秋の俳句を詠もう ~#アルマのお月見キャンペーン~
Twitter特別企画「#アルマのお月見」キャンペーンがスタートします。10月1日の「中秋の名月」に向けて、天文にまつわる秋の季語を使ったオリジナル俳句を募集します!秋の季語といえば、月をはじめ、天の川、銀河、流れ星、ひとつ星などがあります。締切は、9月28日まで。ぜひご応募くださいね。さらに、10月1日(木)20時より、#アルマのお月見トークライブをYouTubeで配信します。キャンペーンの詳細は、来週7日(月)に掲載予定です。
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Afterword
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◎野辺山特別公開2020「今年はおうちで特別公開」開催
8月29日(土)、野辺山宇宙電波観測所の特別公開「今年はおうちで特別公開」が開催されました。初のオンライン開催ということで、手作り感のあるアットホームな公開日となりました。今年は、特別講演会のほか、野辺山45m望遠鏡やアルマ望遠鏡にちなんだ動画、おうちで体験できるコンテンツなど盛りだくさんでした。動画は今後もしばらく視聴可能ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。さらに、9月22日までキーワードラリーを実施中です。先着500名様に素敵なプレゼントがありますので、お早めにご応募ください!
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537光年先にある非常に若い星、B335は、明るさが変化する原始星です。この原始星を観測したところ、星が生まれるときの化学物質…
アルマ望遠鏡は、すでに形成された惑星の外側に、次なる惑星の材料となる塵が局所的に集まっている現場を捉えました。国立天文…