2021. 12. 20

【ALMAメールマガジン】アルマ望遠鏡、130億年前の銀河に水分子を発見

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国立天文台アルマ望遠鏡メールマガジン
ALMA Mail Magazine 2021年11月21日号
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今夜は「月齢16」。アルマ望遠鏡の話題をお届けします。
 
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Pick up!
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◆ アルマ望遠鏡、130億年前の銀河に水分子を発見

アルマ望遠鏡の観測により、宇宙初期の巨大な銀河から水が検出されました。イリノイ大学のシュワーニ・ジャルギュラ氏らの研究チームは、約130億年前の時代にある銀河SPT0311-58を観測し、一酸化炭素分子と水分子が放つ電波を検出しました。この2つの分子が豊富に検出されたことは、宇宙初期に生まれた星で元素が合成された直後に多数の分子が作られていたことを示唆しています。今回の研究は、宇宙初期の銀河における分子ガスの含有量に関するこれまでで最も詳細な研究であるとともに、通常の星形成銀河における水分子の最も古い時代の検出記録でもあります。
https://alma-telescope.jp/news/water-202111

 
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Topics
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◆ アルマ望遠鏡、銀河が星の材料を失うメカニズムに迫る

カナダ国立研究評議会のトビー・ブラウン氏らの国際研究チームは、アルマ望遠鏡を使っておとめ座銀河団を観測し、銀河団内の星の材料の高解像度調査を完了しました。この研究の主目的は、宇宙物理学の長年の謎である「何が銀河の星形成活動を停止させるのか」という問題に取り組むことです。本研究は、宇宙の極限環境が銀河に深刻な影響を与えていることを示す、これまででもっとも明確な証拠となるものです。
https://alma-telescope.jp/news/virgo-202110

 
◆三鷹星と宇宙の日2021オンライン開催

国立天文台が毎年開催している特別公開「三鷹・星と宇宙の日」は、昨年に引き続き今年もオンラインでの開催となりました。今年のメイン講演会のテーマは「アルマ望遠鏡10年の軌跡」となり、3名の研究者がオンラインでの講演をお届けしました。また、アルマプロジェクトの企画としてミニ講演6本に加え、事前にオンラインで集めた質問にお答えする「アルマ望遠鏡何でも質問箱」、そしてオンラインクイズを行いました。
https://alma-telescope.jp/news/mitakaopen-202111

 

◆ アルマ望遠鏡、124億年前の星形成銀河にフッ素を検出

私たちの骨や歯に含まれるフッ素の宇宙における生成メカニズムに迫る、新たな発見がありました。天文学者の国際チームは、アルマ望遠鏡を用いて、光が120億年以上かけて到達するほど遠方の銀河でフッ素を検出しました。このような遠方の星形成銀河でフッ素が発見されたのは、今回が初めてです。
https://alma-telescope.jp/news/fluorine-202111

 

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Events
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◆ プラネタリウム上映「電波で探る宇宙~アルマ望遠鏡10年の軌跡」

会場:平塚市博物館 プラネタリウム
日時:2021年10月3日(日) ~11月28日(日)
内容:アルマ望遠鏡が観測を始めてから今年で10周年。
   それを記念し、アルマ望遠鏡の軌跡や科学成果を紹介するとともに、電波で見た宇宙の姿を解説します。
   ナレーション:辻本あかり
   監修・出演:平松正顕(国立天文台天文情報センター)

来場にあたっては感染対策にご留意いただき、開催状況・上映スケジュールについてはウェブサイトをご参照ください。
https://hirahaku.jp/

 
◆ プラネタリウム上映「アルマ望遠鏡-宇宙を見上げる大きな目」

会場:明石市立天文科学館 プラネタリウム
日時:~2021年11月30日(火)
開催状況・上映スケジュールについてはウェブサイトをご参照ください。
https://www.am12.jp/planetarium/index.html

 

◆ 私たちの起源を宇宙に探る アルマ望遠鏡の10年

会場:天文科学情報スペース
日時:2021年12月3日(金)~ 2022年1月30日(日)
   祝日・月・火曜日は休館・12/27(月)~1/4(火)は年末年始休館
内容:
南米チリに建設されたアルマ望遠鏡は、2011年の科学観測開始から10年を迎えました。
惑星の誕生や銀河の進化の謎に挑み、生物の材料になりうる物質を宇宙に発見発見するなど、教科書を書き換える成果も続々と出ています。
本企画展では、その研究のようすを、天体画像を中心としたパネルと模型などの展示でご紹介します。
標高5000mの素晴らしい風景映像もお楽しみください。
詳細:https://mitakatkjs.mall.mitaka.ne.jp/

 

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Afterword
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今年度も特別公開「三鷹・星と宇宙の日」がオンラインで開催されました。
2021年はアルマ望遠鏡科学観測10周年ということで、メイン講演会ではアルマ望遠鏡をテーマとした講演をお届けしました。
こちらはYouTubeにアーカイブ公開されていますので、お時間のある際にぜひご覧ください。

「アルマの現場、10年の軌跡」 講師:水野範和(国立天文台教授)
https://www.youtube.com/watch?v=lufycPInIc0

「アルマが見つめる銀河:解き明かした謎、そして新たな謎」 講師:河野孝太郎 (東京大学天文学教育研究センター教授)
https://www.youtube.com/watch?v=aH8aWbiCLjA

「アルマ望遠鏡最初の10年 技術の仕事からマネジメントまで」 講師:アルバロ・ゴンサレス(国立天文台教授)
https://www.youtube.com/watch?v=gIioaKuACp4

三鷹・星と宇宙の日2021オンラインの特設ページでは、その他様々な企画をご覧いただけます。
https://www.nao.ac.jp/open-day/2021/live/

新型コロナウィルスのために2年続けてオンライン開催のみとなってしましましたが、
来年は、三鷹で皆様とお会いできることを楽しみにしております。

 

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